トニーたけざきのガンダム漫画のブックデザイン

今年の3月末にトニーたけざき先生のガンダム漫画「サクサク大作戦」が刊行された。シャアが表紙の第一作が刊行されてちょうど10年。一連の漫画装丁はシリーズを意識したものになっているので、並べて見てみたい。

装丁 古賀学(ペッパーショップ

f:id:papernozui:20140906213827p:plain f:id:papernozui:20140906214348p:plainf:id:papernozui:20140906215231p:plainf:id:papernozui:20140906215433p:plainf:id:papernozui:20140906221836p:plain

 「アニメとは情報である」という言葉がある。カバーには英字文字列・ピクトグラム・注意事項・警告!情報が隙間なく配置されている。

意図的に情報量を多く見せてそれっぽい雰囲気を作るのは意外と難しかったりする。英字文字列はこの漫画がどういうものなのか説明している。

缶コーヒーを小指を立てて持つシャア。熱々のおでん缶に驚くアムロ。ラーメンにがっつく初号機。一見してどんな内容かわかってしまう絵。

二巻は絵をプラモデルキットで代用したカーラーページになっているので、先生がプラ板でつくったテム・レイの謎の回路に"many color pages!"の文字が。三巻はガンダム漫画としては最終巻なので一巻二巻の単行本が(三年に一冊!)。サクサク大作戦は四コマ漫画なのでコマを並べて。

デザイナー古賀学はおもちゃのパッケージのようにポップに漫画雑誌をデザインしていたので、編集者がそれを狙って依頼したのかもしれない。

ちなみに、トニー先生の代表作「岸和田博士の科学的愛情」(講談社)の単行本装丁も情報過多でパッケージぽかったり、カバーを外すと表紙に…と遊び心が盛りだくさんな作りになっているので、なんとなく流れがあるようでおもしろい。デザイナーは神宮司訓之(ZIN STUDIO)。元々はアニメの企画・制作会社アートミックのグラフィック・エディトリアル部門にいた人物である。

f:id:papernozui:20140908150531p:plain f:id:papernozui:20140908150550p:plain

ピクトグラムにはトニーたけざき先生おなじみの自画像も。エヴァピクトグラム(の外枠)は六角形に。